歯科医院の技工室
それはひと昔、手先の器用な技工士さんが、患者様の口の中から採った歯型を石膏模型にして、それを技工作業のし易い状態に加工して、歯の形を作って金属類のかぶせ物や入れ歯を日夜黙々と作る特別な空間でした。
それが今は、石膏模型を作るまでは一緒ですが、石膏模型をデジタルスキャンしてコンピューター上で歯の形を設計して、機械が削りだして作る時代となっています。
当院でも4年前に1号機を導入して以来、日夜活躍しております。
その当時、口腔内スキャナーは画期的でしたが、スキャニング時間がピッピッピッという断続的な感覚で模型を読み込むには問題ありませんが、人の口腔内を読み込むには膨大な時間がかかり実用的ではありませんでした。
そして、今回、技工室の拡張にともない、口腔内スキャナー2号機を新たに導入致しました。
購入の決め手は何といっても、スキャニング時間が許容範囲ということです。
ピピピピ・・・・ピ連続して動画を撮影するように読み込むことができます。
これならば、人の口腔内も歯型を採るくらいの時間(1分30秒~3分くらい)でデジタル化することができます。
そしてもう一つ操作中にどうしても太いコードが邪魔になってしまいますので、去年登場していた商品ではありますが、購入には至りませんでしたが、ようやくワイヤレス製品がでましたので、これならば邪魔にならないなと思い導入に踏み切りました。
どんな商品も使いこなしてこそ。であります。ストレスフリーの商品が望まれます。
歯科業界は、すでにデジタル化に積極的に取り組んでおりますし、それがうまく臨床に取り入れられている分野だと思いますが、そこに高速読み取りの口腔内スキャナーが誕生したことで、今後は粘土状の歯型を採ることがなくなります。
固まるまで待っていなければならないので、嘔吐反射の強い方は苦手だったり、歯科医院の受診を躊躇していた方もおられるのではないでしょうか。
デジタル化した口腔内の情報は、さらにCAD/DAM(キャドカム)冠作製器や3Dプリンターでかぶせ物やマウスピース、入れ歯、インプラントの上部構造などあらゆるものを作ることに使用できます。応用範囲が広いんですね。
まだ、保険治療では石膏模型を作製してのスキャニングしか認められておりませんので、自費治療メインではありますが、近い将来導入されていくことでしょう。
今後の活躍が期待できますね。